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FC法について考える

朝日新聞に興味深い記事があったので、紹介しておく。

加盟店守る法律、必要か FC店主と本部側が対立(朝日新聞)

詳しくは記事を直接読んでもらうとして、FC法の成立に関して、本部が所属する日本フランチャイズチェーン協会と加盟店の一部が参加する「コンビニ加盟店ユニオン」との意見が対立している、というのがテーマになっている。

コンビニ加盟店ユニオンが主張するFC法の骨子は以下のようなものだ。

・新規出店の制限

・契約後のクーリングオフを認める

・加盟店が営業時間や休業日を決める

これに対して、日本フランチャイズチェーン協会会長の土方清氏は「経済活性化損なう」として反対しておられるようだ。

もちろん、コンビニの加盟店と本部とが抱えている問題はこれ以外にもある。が、今回はこの3点を少し見ていきたい。

・新規出店の制限
コンビニは「ドミナント戦略」がキーになっている。一定の地域の中で集中的に展開することによって配送効率やその地域での知名度を上げるというもくろみがそこにはある。

確かに加盟店側にとって、自分の商圏の中に他のコンビニ(しかも自分と同じチェーン)が入ってくるのは大変迷惑だ。どう考えても一店舗あたりの売り上げが上がる要素はない。

しかし、これは商売である以上ある程度仕方がない。例え自分のチェーンが出店しなくても他のチェーンが出店するかもしれない。コンビニが出店しなくてもドラッグストアが出店するかもしれない。出店して欲しくないという気持ちは理解できるが、トータルで見てどれだけ意味があるのかは分からない。
※昔のようにやたらめったらではなく、今後はコンビニの出店も厳選して行われるだろうことも付け加えておく。

ただ、ここに一つの問題がある。それは後述する。

・契約後のクーリングオフを認める
これもユニオン側の主張は理解できる。私もあまた「本部が提示した売り上げ予測が大きく外れた」とか、「とても生活していけるレベルではない」という話を聞く。

しかしながら、大抵のCタイプは本部が初期投資を重ねて行っている以上、「はいそうですか」と簡単に止めてもらうわけにはいかない。だから基本的に契約を解消しようと思えば違約金が発生してしまう。

この辺りは非常に難しい問題で、あまりに簡単にクーリングオフができてしまうとオーナーに売り上げを上げる努力が足りないのに本部だけに被害が集中するという事態も起こりえる。

しかし、逆にクーリングオフされたくないから、きちんとした見込みがあるところでないと出店しないし、また能力がない人間以外はオーナーにならせない、という対応がうまれてくる可能性もある。

これはどちらが正しいというものではないだろう。

ただし、以前は本部が契約解除をちらつかさえて、オーナーに高圧的な態度で施策を要求してきたということもあったようだ(今もあるかはわからない。本部はけっこう敏感になってきているようだが)。そしてオーナー側は本部にどのような文句があっても「契約書にハンコをおしたのだから」という文句で片付けられてしまう。

このクーリングオフが認められる、られないは別として本部は契約の際に「どんな状況ならどのようなリスクが発生いし、本部がどのような対応をしうるか、オーナーには何ができるか」を理解できるように示すことは義務づけた方が良いだろう。そういった説明がきちんとできないというのであれば、それは「オーナーが一方的に損をする契約が含まれている」ということの裏返しである。それでは「相互利益」とか「互角の立場」とは口が裂けても言えないだろう。

・加盟店が営業時間や休業日を決める
コンビニは基本的に「契約上」24時間経営が「義務づけ」られている。オーナーの個人的な判断で店を休むということは認められていない。それは果たして「個人事業主」と言えるだろうか。私は言えないと思う。

そういった事に、本部は「コンビニは社会のインフラだ」ということを持ち出してくる。ここで先ほど挙げた新規出店の問題が絡んでくる。

基本的に「インフラ」産業は程度の差はあれ「規制」に守られている。そうでなければ過度な競争でお互いが倒れたり、価格ばかりが優先になって安全面が損なわれる可能性がでてくるからだ。

消費者にとっては確かにインフラ的な存在かも知れない。便利な物がたくさんある。しかし別にオーナーはインフラを整えようと思ってコンビニを始めるわけではない。

もし、本部がコンビニは社会のインフラだというならば、地域内の出店数を守りチェーンを超えても競争しない体制をつくらなければいけないだろう。また売り上げの数字が悪ければ積極的にサポートしていく必要がある。

インフラというのは社会にとって必要なものだが、それは空気のようにただでそこにあるわけではない。誰かがコストを支払ってそれを維持していく必要があるわけだ。で、現状不便な立地に存在している、つまりあまり売り上げが良くないコンビニのインフラ性を担保しているのは誰なのか。

本部なのか、オーナーなのか。

私はすくなくとも、休日はオーナーが決める権利を持つべきだと思う。おそらくそのような権利を持っても、大抵のオーナーさんは週1回休んだりはしないだろう。月に1回くらいかも知れない半年に1回くらいかも知れない。もし、地域に必要とされ、そのことをオーナーさんが感じているならばとても「気楽」には休むことなどできないだろう。

本部がそれを禁止しているというのは、基本的にオーナーさんたちを信用していない、ということに他ならない。

とりあえず本部がこの問題について語るときに「コンビニはインフラだから」という説明はして欲しくない。それは自分の利益を守るためだけの言葉にしか聞こえない。

以上3つの点について解説した。コンビニ加盟店ユニオンが主張するようなFC法が本当に必要かどうかはしっかりと議論する必要があるだろう。しかしコンビニを制御する法律がない状況からは脱却すべきだと思う。現状において「本部」と「加盟店」が対等でないことは誰しもが感じている。

そこには一定の規制が必要だろう。そうした法が整備されれば「じゃあオーナーやってみようか」という人も増えてくる可能性はある。消費者がものを買わなくなる上に、オーナーが集まらなくなれば必然的に衰退産業になってしまうこのコンビニフランチャイズシステムについて、一度見直すべき時がやってきているのだと思う。
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コメント

>ゆっきーさん
SVでも完全に本部の伝言係になっているSVとは合うだけ時間の無駄です。売り場の提案や周辺の情報すら提供できないSVに巡り会ったらDMに直訴した方がよいと思います。
Comment by Rashita @ 2010/01/19 3:03 PM
ホントに難しい問題ですよね私もオーナーやってますが本部とは仲良くやりたいと思ってます
でもやっぱ上から言ってくるようなSVなどには担当になってほしくないです
Comment by ゆっきー @ 2010/01/19 5:08 AM
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