コンビニの24時間営業、山間地で制限も 長野県が条例
地球温暖化対策の一環として、長野県議会は23日、コンビニエンスストアなどで24時間営業を制限することのできる協定制度を盛り込んだ「地球温暖化対策条例」を可決した。同県は1年以内に施行する。24時間営業の必要性が低いとみられる山間地などで、照明の利用を抑制、二酸化炭素など温室効果ガスの削減につなげるのが狙いだ。
これは、なかなか難しい問題を含んでいる。とは言え私はこういった動きには全面的に賛成である。ほとんど全てのコンビニが24時間営業をしているというのは、少々異常であると思うし、またそれが電力消費量を増やしていることも間違いないと思う。
ただ、問題の側面は、「環境問題」以外のところにある。
一つは、本部側の事情、もう一つは店舗側の事情、そして地域での事情である。
24時間の営業はもちろんデメリットもある。人件費もかかるし、当然電気代の経費もかかる。しかし、単純に営業時間が長くなれば、売り上げも上がる。売り上げ金額だけの評価ならば24時間営業を行なうほうが好ましい。
また「便利なコンビニ」のイメージを定着させるためにも、常にあいている店舗というのは大切だ。
こういった便利さがあるから、大抵の人はコンビニでの定価販売にも抵抗感を感じないのだと思う。
そういう点から、基本的にチェーン本部は、「24時間営業」が基本方針であろう。
店舗側にとってはどうだろうか。
さっきも述べたが、人件費の問題がある。またシフトの問題も同様にある。
基本的に深夜というのは、お客の数が昼間に比べて圧倒的に少ない。
しかしながら、防犯上の問題から基本的には二人体制が推奨されている。
実際多くの店舗で二人以上で勤務を行なっているだろう。
お客の数が少ない分、納品作業や清掃業務などを集中させて業務の効率化を行なうことはできる。
しかし、深夜に勤務したい人間というのは、なかなか少ない。おそらく田舎と、ビジネス立地の店舗では人を確保するのも大変だろう。
また、大抵「問題」のあるお客が訪れるのが深夜である。大阪などではよっぱらいのお客に対応するのが大変だというはなしを良く聞く。
もちろん、それはコンビニだけの問題ではないだろうか、24時間開いていることで、そういうお客を招きやすいというのはあると思う。
24時間販売していることで、納品や廃棄の量の調整がしやすいという点はあるだろう。スーパーみたいに閉店間際に値下げ、などということはする必要は無い。
こうしてみると、店舗側ははっきりとメリットデメリットがある。一定数のお客が確保できるかどうか、が分かれ目になるだろう。12時を回ったらほとんどお客が来ない、という店舗では実質的な必要性というのは無いのかもしれないし、無駄といってもいいかもしれない。
そして、最後に地域の問題がある。
コンビニ周りの商圏の人々にとってコンビニという存在がどういうものか。
大抵の若い人ならば「あって当たり前」だろうし、一定の年齢の人にとっては「あいてて良かった」ということになるのかもしれない。
コンビニはそこに存在して、物を売っているだけで十分意味があるものだ。
しかし、それ以上になりきれるのかが難しいところである。
商圏唯一のコンビニは非常に重宝されるが、近くに他のコンビにができた瞬間に「閉店」の可能性が出てくる。こういうのはなかなか厳しい。
が、利用する人にとっては、あまり差は感じないのだろう。特にコレという買物が無い場合はそうだろう。とりあえずコンビニというユーザーにとっては、コンビニの看板よりも、在庫量とか、店員の愛想の良さ、そして最終的には「どっちが家から近いか」ということが選択の理由になってしまう。
つまり、基本的に「無いと不便だが、たくさんある必要はない」ということになってくるのだろう。
たしかに、24時間明るく輝くコンビニのおかげで犯罪を抑制している、ということもあるだろう。その逆にそのコンビニの中で犯罪が行なわれている(まあ万引きとか強盗ですな)ということもあろう。
地域にとっては一長一短だが、一軒は欲しい、ということろだろう。
結果的に、24時間営業を全国的に全店舗行なうというのは少々無理があるだろうし、あまり効率的でもない。地域内にコンビニが多数あるところや、商圏が夜間まったく動きをなくしてしまうような店舗では、24時間営業の方針を見直していく必要があるだろう。
当然、これは本部側の動きになってくるわけだが、今回のように地域のほうが動いてくる場合もあるだろうし、またオーナーもそういうことをきちんと念頭においておく必要があると思う。
しかし、何度も言うが私はコンビニの24時間営業はやめるべきだと思う。
逆にごく一部の店舗だけ行なうということでも良い。
こうして生活していると感じないが、24時間開いている店、なんて不自然極まりない。それはまあ、文化的な問題になってくるのでしょうが・・・。